白人至上主義者の先鋭化止まらず、憎悪犯罪増加
白装束でトランプ氏礼賛、炎の十字架に誓うKKK
2019年3月15日

トランプ大統領を支持する白人至上主義者の先鋭化が止まらない。
憎悪犯罪 (ヘイトクライム) が増え、政権は秘密結社クー・クラックス・クラン (KKK) を非難するが、燃える十字架に白装束で差別を誓う構成員は「移民排斥は国を正しい方向に導く最良の政策だ」と礼賛する。
新設されたKKK地方組織の秘密集会を共同通信が取材した。
「よし、目隠しを取っていいぞ」
畑と森が連なるインディアナ州マディソン郊外。
待ち合わせ場所から15分ほど走った林で車は止まった。
「100%白人」のステッカーを張ったジャケット姿の構成員らにスマートフォンを預けさせられ、居場所は見当も付かない。
KKKの旗を掲げた小屋の横に立つ焦げた十字架。
顔の撮影は禁じられ「白人以外は一切座ってはならない」と厳命された。
リーダーのデレク・ノーブル氏 (32) が「KKK名誉神聖騎士団」を設立したのはトランプ政権発足後の2017年8月。
親もKKKに所属し「高校時代に同じ教室に黒人がいるのが許せなかった」と言い放つ筋金入りだ。
2009年に別団体に加入したが「生ぬるすぎて」自分の団体を立ち上げた。
胸や腕にKKKの紋章を彫り込み、黒人運動の旗を燃やす映像をインターネット上に投稿。
毎月、集会を開き「白以外が混ざった子孫は欲しくないだろう?」と若い構成員に説く。
腰に小銃を提げ、尊敬の眼差しを向ける若者ら。
いずれも近隣に住む労働者だ。
「白人限定」の看板やKKK集会の古い写真が飾られた小屋で、白装束に身を包み、ノーブル氏が「ホワイトパワー (白人の力)」と声を張り上げると、全員が唱和し左手を掲げる。
「黒人と一緒に暮らしたくない。排斥するぞ」「たるんだ白人を教育しよう」 米国第一主義を唱えるトランプ政権発足に前後して、白人至上主義が先鋭化。
2017年8月にはバージニア州シャーロッツビルで白人至上主義者と反対派が衝突し、死傷者も出た。
連邦捜査局 (FBI) によると、2017年のヘイトクライム通報件数は前年比約17%増で3年連続増加。
犯人が特定されたヘイトクライムの6割が人種などに対する偏見を動機としていた。
日が暮れると、小雪の中、松明 (たいまつ) に火を灯し、十字架の周りを行進。
参加者は多い日で20人を超えるが、氷点下のこの日は6人。
十字架に火を付けると、両手を広げ「国家のために」「白人のために」と怒鳴った。
インターネットで団体を探し出し加入したばかりのキースと名乗る少年 (19) は「集会に参加して白人であることをさらに誇りに思うようになった」。
スカーフからのぞく目で鋭く炎を見つめ、得意げに語った。
(マディソン共同=遠藤幹宜)
*写真はイメージ
(2019年4月1日号掲載)